「、」
ソファの上で気持ち良さそうに寝息をたてるを、そっと揺すってみた。もちろんそんなことでこの子が目を覚まさないことはわかってる。寝起きは良いのに起きるまでに相当な時間がかかるのはいつものことだから。でもは寝惚けていると甘えてくるからそれはそれで悪くない、なんて口には絶対出さないけど思った。
「ほら、ほんとにそろそろ帰らないとまた心配して電話かかってくるよ?」
「ん……もうちょっと寝るーー」
まったくしょうがない子だ。いつだって僕は君に振り回されるんだ、並盛最強と言われる こ の 僕 が 。数ヶ月前までの僕には考えられないことだけど、この子を守ってあげたいとかこの子を幸せにしてあげたいと願ってる。僕をここまで変える存在である君は、そのことに全く気付いていないようだけど
「……もう7時だよ、どうするの?」
「どうするのってなんれすかぁー……」
「まだ寝るの?」
「ねるー」
まだ開ききらない瞳でにこにこ笑う。「だーってここあったかいんだもーん、恭弥くんも一緒おひるねしよ?」なんて言ったかと思えばまた夢の中に戻ってしまう。僕は別に構わないけど、の親は心配症なのか、帰宅時間が遅くなると電話をかけてくる。まあ確かに、こんなに可愛くて美人でしかも天然でぬけているから心配なのはわかるけど……とりあえず、僕から電話入れとくか。「…もしもし?………はい、雲雀です……あの」
二時間くらいたっただろうか、僕は明日やろうと思ってた書類も全部終わってしまい、することがなくなった。まあの寝顔を眺めているのも楽しかったし、寝言で僕の名前を呼ぶのが無性に嬉しかったから良いんだけど。でもそろそろお腹すいたし、紅茶だけで満たすのは不可能に近かった、だからまだ眠っているをそっと抱き上げて応接室の鍵を締めた。
「(…寒い、かな)」
外気に触れたらが身を縮めたから学ランを掛けてあげた。でもやっぱり夜は冷え込むから、僕も相当寒かった。
「きょうやくん・・・・・あったかいねーー」
・・・・・・・何度も言うけど、本当に僕はこの子の前だと弱くなる。並盛最強と言われる 雲 雀 恭 弥 でさえ。
触れた温度が
心地良い
(あれ?!なんで私が恭弥くん家に??!)
(安心しなよのお母さんにはうちに泊まるって言っといたから)
(なっ……!?(私、もうおうち帰れません))
Thanks for corabo!!
061017 RinKaren
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