「あーあ…バジル行っちゃったなぁ」 窓から空を見上げたの目に入ってきたのは大きなイタリア行きの飛行機だった。 が世界でいちばん大切な(少なくとも本人はそうだと思っている) バジルを乗せた飛行機は、非情にもだんだん小さくなり、 紙飛行機のようにどこかへ飛んでいってしまった。 ラブリーベイベー 「殿…そろそろお目覚めになったでしょうか?」 の頭上何千メートルで、溜め息混じりに呟くのは他でもないバジル。 隣で気持ち良さそうにいびきをかいて眠っている 彼の『親方様』をちらっとみてまた小さく溜め息をひとつ。 「殿…きちんと朝御飯食べられるのでしょうか……」 人一倍朝に弱いを心配して、自分が食事をとることすら忘れかけるバジル。 「バジル、食べないなら俺もらって良いか?」 「…えぇどうぞ。」 バジルの様子がおかしいことに家光が気付かない筈もなく、冗談混じりに話し始めた。 「なんだ元気ないな?どうかし……あーあれか!? 日本に残してきたちゃんが心配で心配で食事も喉を通らないってやつかぁ?」 ただの冗談だったつもりなのに、バジルは飲みかけのコーヒーを吹き出しかけた。 「そそそそんなことがある訳ないではありませんか! 拙者は殿のことなど全く心配しておりません!! 拙者は任務をまっとうすることを常に最優先に考えております!!!」 慌てて取り繕うバジルの努力もなんのフォローにもならず、 家光はニヤニヤとバジルを見定めるような目でみつめていた。 「あぁ…ちゃん可愛いからなーまぁしょうがないよな 俺だって結婚したての頃は奈々が心配で心配で…」 「いえですから拙者は…!!」 「…若いねぇ。」 「おっ親方様///」 「ならお若いカップルの仲を引き裂いちまうのも悪いから、さっさと終らせて帰ろうな。」 「…はい」 照れてしゅんとなってしまったバジルを見て、 家光のニヤニヤ笑いは収まるどころか倍増した。 「バジルいつ帰ってくるかなぁ…」 ベッドの上に寝転がり、キラキラ輝く太陽と雲ひとつない空をぼーっとみつめながら、 は自分の鼓動が限りなく遅いのを感じた。 「これが朝に弱い原因だよねー…バジルいないといつもよりもっと元気が出ないなぁ。」 おもむろに携帯に手を伸ばし、バイトに休みの連絡をいれた。 「(今日はゆっくりしてよう…)」 そう思って、借りてきたビデオを見たり 窓の外を飛んでいく雀を眺めたり 1日ベッドの上で過ごした。 「・・・・えぇ?!もう夜??!!なーんにも出来ないんだねあたし一人じゃ・・・」 寂しさのあまり半ば自嘲的に笑い始めたの耳に入ってきた音。 ピーンポーン インターホンの音が部屋に響き渡り は重い体を無理矢理動かしてドアまでたどり着いた。 「はぁーい」 ピザの配達でも頼んだっけ・・・? などと思いながらドアを開けると・・・ 「こんばんは殿」 「・・・・・・バジル?!」 「夜分遅くに申し訳ありません。」 「いや申し訳なくないけど、どうしたの?イタリアに行くんじゃなかったの?!」 「早く終わったので立ち寄らせて頂きました」 は予想外の訪問客に驚きと喜びを隠せない。 「う、わぁ・・・びっくりしたよっ///」 「それは良かっ」 ぐぎゅるーーーーーーーー「「・・・・・・」」 「・・・殿?お食事はどうされたのですか?」 「え、えへへっ」 「召し上がってないのですか?」 「・・・・・・うん」 「どうしてですか?!」 「うーん・・・なんかね、寂しかったみたいでね、 なんか食べたりとかしようと思わなかったっていうか・・・食欲無くて」 「・・・・・・殿!!」 それを聞いて嬉しそうにバジルはを抱きしめ、 いつもよりもっと優しいキスをした。 たった1日、 それだけの時間が2人にとってはとても長いもので それを埋めようとするかのように はバジルにぎゅっと抱きついた。 「・・・・・・おなか一杯になった//」 「・・・それは良かったです。」 2人は見詰め合って 微笑みあって 会えない時間を 埋め合わせられたような そんな幸せな気分に浸ったのだった。 ――――――――あとがき―――――――― 燗拿さんに捧げます☆ いつもいつもご贔屓頂きありがとうございますーΣd(#ゝД・) こんなおバカな私に仲良くしていただけて嬉しいです// これからも宜しくお願いします!!! 060526 華恋 凛 ――――――――――――― きゃーvvvバジルです! 頂きました☆★ 凛ちゃんいつもお世話に なってます!謝謝!!
|