「ねぇ犬ちゃん千種は?」






まだみんなが起きたばかりでぼーっとしている中、

一人早起きのは犬の部屋にノックもせずに飛込む。






「えっあー柿ピーは……買い物にでも行ったんらね?」

「日曜の9時から?」

「……そーらよ!」

「ふーーーん」

「な、なんらよ!」

「骸さんに犬ちゃんが嘘吐きだって言いつけるよ?」

「ゲゲッ」






隠し事をしているらしい犬をうまく言いくるめて、

は千種の部屋に行く。






「ったくもー風邪ひいてんなら言えば良いのに……」






は千種を驚かそうと千種のベッドに潜り込む。






「………」

「やほっ」

「……ごめん、部屋間違えた」






くるっとうしろを振り向き部屋を出ていこうとする千種の肩をとっさに掴んだ






「いやいや間違ってないよ!びっくり、させようと思って…」

「出て」

「えー」

「この部屋は立ち入り禁止。」

「やーだー千種の看病する!」

「……うつしたくない」

「バカは風邪ひかなーいの!」






えへへと笑うを見て千種は溜め息を吐きながらベッドに入る。






「ベッドからは出てね」

「付きっきり看病はイヤ?」

「襲うよ?」

「病人がなに言ってんの!」






笑いながらもはそーっとベッドから出る。






「なんか食べる?」

「喉痛いからいらない」

「じゃあ大丈夫そうなもの作るよ。」






そう言ってが台所に入って十数分、

少し自慢気に部屋に戻ってきた。






「カリフラワーの冷たいポタージュ、創作だけど自信作なんだ!」

「ありがと」






千種の伸ばした手をいともあっさりかわして笑顔で言いきった。






「飲ませてあげる」

「自分で飲める」

「いーの!たまには甘えなよ!」






そう言ってスプーンにすくって口元に運ぶ。

千種にはしばらく葛藤が見えたが、諦めてひとくち飲んだ。






「…美味い」

「でしょ?はい、あーん」

「………」






少し頬の赤い千種を見て、はくすくす笑いながら言った。






「犬ちゃんにされなくて良かったでしょ?」

「…別に」

「全く可愛くないんだからーっ!あ、食べ終わったねそんな美味しかった?」

「うん」

「素直でよろしい。片付けしてくるから、無理かもだけどちょっと寝たほうが良いからね?」

「わかった」






に背中を向けるように寝返りをうった千種。






「ちくさ」

「ん?」






ちゅっ






「早くよくなれよばーか」

「・・・・・・・」












千種は不意打ちに相当照れて

は自分の発言と行動に相当照れて






ふたりの照れは見事な沈黙を生み出した。






それは気まずいものからだんだん心地良いものへと変化する。






「千種」



「「ん?」」

「・・・・・・一緒寝て良い?」

「おいで」






仲良くふたりで入ったベッドは少し狭くて

でも悪くはない圧迫感だった。












風邪の功名

















――――――――あとがき――――――――


燗拿さんに捧げます千種キリリク夢!

リクありがとうございました。

あの、色々と問題点発覚なので詳しくはBBSへGOです!!汗


060724 華恋 凛

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大好きな凛ちゃんから頂きました!
やっぱりあこがれます。・+*
ありあとう!!



















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